すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

Soul Station

ソロアルバム「マグマ」
6曲目「Soul Station」

アコースティック色が全面に出た、優しさの中に黄昏を感じるナンバー。
個人的には凄くフォークソングっぽい感じ、ギター1本でも成立しますね。
夕暮れ時に自転車でも乗りながら聴きたい。
演奏時間は6分34秒と稲葉氏のソロ作品の中でも最も長い楽曲でもあります。

イントロ、温かみのあるオルガンフレーズからアコギ、ベース、緩やかなドラムグルーヴを展開、浮遊感のあるシンセ?フレーズも印象的。

Aメロ♪手も洗わず テレビも消し忘れ〜アコギ、ベースのシンプルなバッキング、この出だしメロディーが凄くフォークっぽい。
稲葉氏の優しく語りかけるヴォーカルが素晴らしい。
1A、Bメロが終わり、ブルージーなギターソロを挟みます、2Aメロへ、バンドグルーヴへと展開。
このギターソロも黄昏感出てます。

サビ♪何て退屈な世界にいるんだろう〜哀愁のあるメロディー、エモーショナルです。

♪君にの甘えたままで〜のメロディー、稲葉氏の声を張り上げ過ぎず絞り出すようなヴォーカルがとても魅力的、この歌い方凄く好き。
♪火はつけられないままで〜の語尾が上がり、ファルセットっぽくなる部分もエモーショナル、スティーブン・タイラーを彷彿とさせますね。

間奏のアコギソロ、フォーキーでタメの効いた感じがgood、めっちゃ雰囲気あります。
間奏後、言葉を畳み掛けるように歌う部分があるんですが、そこもフォークの要素を感じます。

アウトロのギターアルペジオが凄くメロディアス、♪誰の言葉も届かない〜この抑え気味のシャウトが心の叫びに感じ、悲痛さが伝わってきます。
 
歌詞を全文載せておきます。
「手も洗わずTVも消し忘れ 浅い眠りに揺られる
だれとも口をきかない日は よくあるよ
別にたいしたことじゃない
夜の闇は死ぬほど深く
僕にはどうしていいのかわからない」

「特別なニュースはやって来ず
彼女の部屋から駅へと坂を下りる
こぎれいなスーツで歩く朝の君は なかなか悪くないよ
つい争うことが多いけど
ゴールの見えない道は僕には長すぎる」

「なんて退屈な世界にいるんだろう
君に甘えたままで
この心に火はつけられないままで
そしてまた陽が暮れてゆく
線路の向こうに希望は沈みゆく」

「小さな街では 今日もだれかが去り だれかがやって来る
僕にできること
いったいどの教科書にでてるの」

「あたらしい人を知ったと 君は言い放ち ベッドで背を向け
だれも乗らない電車の音だけが聞こえる」

「yeah なんてくだらない世界にしてしまったんだろう
君をだいなしにしてまで
死にかけている僕のたった一つの魂は
違う景色を見たいと もがいてる
まっ赤に溶けて注がれる場所を求め
出発したいと願ってる きっと…
yeah どこかさい果ての場所へ誰も救えない」

「どんな神様にも救えない woo…
僕の魂は僕の君の魂は君の 言うことしか聞かないah…」

「mm… Yeah 誰の言葉も届かない
誰の言葉も届かない
誰の言葉も届かない
誰の言葉も届かないyeah…」

曲タイトルはファンタジックを感じさせますが、内容はなかなか重いテーマ。

でも何だろう?ありふれた日常が描かれているので、重い感じが少し中和されてる気がしているような。
主人公が恋人との価値観の違いでお互いの目的がズレていき、やがて彼女には好きな人が出てきて・・・・あぁ切ない。
彼女がいない世界は「退屈」「くだらない」言い切ってしまう辺り、かなり彼女に依存していたのだろう。
やがて主人公は、今住んでいる場所から居なくなりたいと思い始める、何処か誰も知らない地へ行きたいと。"まっ赤に溶けて注がれる場所を求め"んー深読みしてしまう、もしかして自殺??
一旦気持ちが違う方向に向かえば、神様でさえそれを変える事はできない、そして誰の言葉も届かない・・・曲調とは裏腹に救いようのない絶望的な状況、稲葉氏の感傷的で心を閉ざしてしまう描写が炸裂しております。

B'zでは全ての作詞を出がけているので、歌詞の字数の多さから見て、ソロアルバムという事もあり、かなり詞に重点が置かれた楽曲であると感じました。

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