すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

SNOW

B'zのミニアルバム「FRIENDS II」

2曲目「SNOW」


静かで優しく感傷的なバラードナンバー。何処かジャジーな雰囲気。
B'zの楽曲の中でも稲葉氏のファルセットがかなり前面に出ていて、凄く印象的。
本アルバムで1番冬感が出ていて感傷的な楽曲で、静かな冬の夜に連れてってくれます。

ピアノのコードを鳴らすイントロ、そしてサビメロディーをピアノで奏でます、これだけでもメチャメチャ切ない、メロディが良い。

Aメロ♪寒いくらい夜は嫌だ 女々しい物思いに耽る〜ムーディーで優しくて切ないメロディ、ドラムはスローな8ビート、ベースとピアノはコードを鳴らすだけのシンプルなバッキングですがそれがこの静かな雰囲気を醸し出してます、この雰囲気がたまらない。稲葉氏のヴォーカルもこれまでにないアプローチ、凄く好きです。

Bメロ♪ホントに一人になったこと無いからね〜ギターの短いコードカッティングが入ります、サビ前の稲葉氏のファルセットヴォーカル回しが非常に上手い。

サビ♪あの時どうして嘘をつかなかったのだろう〜弱々しいファルセットを交えた稲葉氏のヴォーカルが最高で新鮮。オシャレな感じもありますが何処か切ないメロディー、バッキングの松本氏のオブリガードが素晴らしい、サビでこれを上手く楽曲になじませられるセンスが素晴らしい、前面に出てないけどこのオブリがオシャレ感、曲全体の静けさを演出。

アウトロ♪踊れ雪よ止まないで今は〜切なさの最高到達点、感情が爆発。稲葉氏、神がかってます。
この楽曲の切なさを全て吐き出すに相応しい展開、よくぞ考えたこの曲展開。

松本氏のギターソロ、これはホントに素晴らしい、シンプルなフレージングですが、凄く切ない、もう感情爆発です。この泣きのギター、松本氏の真骨頂。独特のチョーキングチョーキング+タッピングを効果的に使い、切なさを演出。

稲葉氏のヴォーカル、この楽曲はホントに何かが憑依したかのように神がかった歌唱力、表現力。もう感情吐き出してます、弱々しいファルセットがもの凄く感傷的なんですよね。


歌詞を乗せておきます。
失恋でかなり苦しんでいるような内容にも受け取れますが、いろんな別れが連想出来ます、失恋だけでくくれない深さの歌詞です。

寒い暗い夜はいやだ 女々しい物思いに耽る
たばこの灯りは 眠れぬこころ照らす。

 本当にひとりになったことないからね 自分の強さも知らない あのときどうしてうそをつかなかったのだろう 偽りばかりで暮らしてたはずなのに。
 
雪に言葉はない 手紙も届けられない だれもノックしない すべては息を潜める 。

君とのことを 思い出す時はいつも ドアというドアを閉められたよう。

 

「壊してしまいたい」そんな気持ちになっていた 手放した鳥は

 二度とは帰ってこない。

 

踊れ 雪よ やまないで今は 溜め息を 優しく吸いこんで つもれ この世の悲しみを全部 深く 深く埋めてしまえ。

冬の情景描写、主人公の孤独描写がとにかく素晴らしい、凄く伝わってきます。失恋した時聴くと絶対泣けまさひ、そして歌詞の通り物思いに耽れます。
自分が犯してしまった罪により、相手が離れて行ってしまった・・・後悔しても遅い・・・この誰にもぶつけられない苦しさや悔しさ、自暴自棄になってしまう描写も秀逸、自分を何処までも自虐してしまうというか、この表現力はホントにピカイチです。
最後は「この世の悲しみよ全部」とかなりスケールが大きくなるのがなんとも稲葉氏らしい。


B'z:SNOW

f:id:kanachiha:20210104124501j:plain