すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

眠れないのは誰のせい

ソロアルバム「マグマ」
5曲目「眠れないのは誰のせい」

ジャズの要素が散りばめられた渋く、妙なスピード感のあるナンバー。

イントロ、ドラムビートになんとも怪しい感じのウッドベース?フレーズが絡み、ジャジーなギターオクターブ奏法リフへと展開、どこか気だるさがあります。

Aメロ♪やけに痛いと思ったら〜ジャジーな演奏に加え、メロディーもジャジーです、ジャズシンガーが歌っていても違和感なし。

サビ♪あぁ嫌だな 他人の幸せを〜サビはダンサブルで言葉を詰め込み、流れるようなメロディーが非常に印象的ですごく耳に残ります。
全体的に地味めの楽曲ですが、この部分の存在感が大きい。

ギターソロ、ジャジーで妖しさ満点。

アウトロ、トランペットソロをバックに稲葉氏のブチ切れて、狂ったようなシャウト、歌詞を見れば「なるほど」と納得・・・。
トランペットとシャウトの掛け合いが実に不思議な感じです。

歌詞は精神を病み、眠れない理由が分からない様を描いてます。
「やけに痛いと 思ったら 胃に りっぱな穴があいてたんだ 夜中のうちに 虫がわいて 体のあちこちをせめる そりゃ石もたまる 早死にするぞ もしかしてするかも」
かなり直接的な表現、これまでB'zではあまり見れない表現。生活感がメチャメチャ出てます。

「知らないうちに 抑えつけてた 消化不良のわが欲が 腐りはじめのやな臭いを ぷんぷん まきちらしはじめてる ああ なんという オーデコロン!! 大なり小なり 君も思いあたるでしょう」
ここで出てくる"やな臭い"とは自身の醜態ではないかと思います、それを本来良い香りのはずであるオーデコロンに例える辺りがさすがです。

「ああ いやだな 他人の幸せを 満面の笑顔見せて 喜んでるボクがいる せっかちな妖精が ぐるぐるかけめぐる 空は明るくなっても 眠れないのは 誰のせい」
他人との関わりたくない心を閉ざしたい主人公、おまけに幻覚であろう"妖精"まで出てきてくる始末、相当ヤバイ感じがしますね。

「他愛ないひとりごと
ぶつぶつ漏れてくる
血管の壁から 漏れてる
眠れないのは 誰のせい」

「ああいやだな 薬は効かない
あの娘のやわらかい手を握っても
おちつかない
なんか気持ち悪い
きっと本当はわかってる
自分の中で あつい戦いが
始まってること」
主人公がいかにして精神病と向き合い、苦しんでる様子が分かる描写。
曲調がさほど暗くないから感じませんが、結構リアルな内情を感歌ってますね。

ソロでは解き放たれたように自由に作詞しているなぁと感じます、特にこの楽曲は。

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