すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

傷心

B'zのミニアルバム「FRIENDS II」

3曲目「傷心」

ソウルフルでジャズファンク色強めだけどキャッチャーなナンバー。
本アルバムの中でシングル的な立ち位置にある楽曲です。
サウンドは見事にジャズファンクですが、ちゃんとJ-POPしてるのがB'zの凄い所。
J-POPに括るのはもったいないレベルの楽曲。

イントロ、松本氏のワウカッティングが超ファンキー、16ビートのグルーヴが展開されるのですが、バッキングに生楽器パーカッションが導入されているのは特筆すべき点、今までにないアプローチです。
この雰囲気のままAメロへ。
Aメロの「怖いものの〜」の声伸びが個人的に好き。
サビ♪近寄らないでおくれ〜このメロディーはB'zって感じ、キャッチーです。ソリッドでキレのあるバッキングカッティングギターが肝。
間奏は史上初のフルートソロ、スリリングで切ない。

ギターソロ、珍しく流麗なTAKトーン
は影を潜め、粒が揃った硬いクリーンサウンドが印象的、独特なタイム感が心地よくてスリリング、ソロ後半は珍しくフルピッキングしてます、これは激ムズでしょうね。ハードロックギタリストなのにこのニュアンスのフレーズがこのレベルで弾けるんですから、恐るべし松本氏、ホントに器用ですね。

そして、アウトロの稲葉氏のフェイク、凄いですよ。メチャメチャソウルフルで初めて聴いた時凄すぎてちょっと怖かったくらい。日本人離れしたフェイク。このアルバムならではのアプローチでしょう。

歌詞を全文乗せておきます。

にこやかに愛しあう風景
こわいもののない平和な習性

だれもがまんべんなく幸せにと願い
傷ついても立ち直れる明日を信じてる

ちかよらないでおくれ もう痛いのはごめんだ
こわれるようなものに もう手は出さない
せいぜい甘い時を堪能すればいいじゃない みんな みんな
どういうふうに愛について 勘違いしてもいい

求めあい過ぎるのが人情
花火のようにはじけ散って後遺症

どうして君は僕に微笑んでくれるの
一体どんな「つながり」を夢見ているの

さわるななめるな どこにも傷なんてない
涙を枯らして 泥のように眠ろう
退屈な毎日 それもまたよしとしよう、だから だから
面倒臭い事情に巻き込まないでくれ

燃え上がるが怖い 灰になるのが怖い
なにも見えない 聞かない 問いには答えない
優しくしないで これ以上はどうかおねがい
あの日のようにまた 自分がわからなくなるよ

とにかく「対人関係に怯えている」歌詞。
Aメロの歌詞では、愛し合いながら平和に生活している人達をディスっています、痛い目をみた事ないからそんな綺麗事を言ってられるんだよ・・・みたいな感じです。
近づかないでくれ、面倒くさい事に巻き込むなと人を拒絶しておりますが、よほど嫌な事があったんでしょうか。
そんな対人関係を拒絶している主人公に対し、優しく接してくれる人が現れ、主人公の気持ちが揺らぎ始めるという下りは稲葉氏の十八番、きっとまた振り回される事になるのかな(笑)
人間関係のリアルを歌っている気がしますね。


B'z:傷心

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