すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

未成年

アルバム「The 7th Blues  」 DISC1 3曲目「未成年」

ジャズファンクの要素をふんだんに取り入れたナンバー。

鬼のギターレガートフレーズに、ブレイクを駆使したリズム隊の演奏スタート、メインフレーズの、ファンキーなギターカッティングにタメの効いたグルーヴがクール。

Aメロ♪何もかも嘘だった今まで〜いつもより低音のヴォーカルが新鮮、特筆すべき点はこの絶妙のタイム感で切り込んでくるタメの効いたベースが超気持ちいい、ファンキー。

さり気なく入るジャズピアノがオシャレです。

Bメロ♪知りながら どうしても〜バッキングのキラキラしたシンセ、浮遊感のあるアレンジ、松本氏の哀愁を帯びたロングトーンが映えます。

サビ前の"I’m green and blue"のコーラスがキャッチー、決まってます。

サビ♪線を引かれた ここからきみ入れないと〜メインギターリフに、ファンクなビートに、マイナーなメロディーが光り、稲葉氏のヴォーカルが最高に映えます、特に「埃で前は何もない見えない」の所、"見えない"の声の伸びがたまらない、ハスキーでいて突き抜けるような声が最強です。凄く好きですこの歌い方。 特にラストサビの"完全になりたい yeah!"の部分は最高にエモーシ ョナル、正に内なる叫び。

バッキングのベル?のような単音メロディアスフレーズが、シリアスな雰囲気の中にほんのりポップさがあってバランスが良い。

ギターソロは、バンドサウンドから一転、デジタルビートに乗せて、静かな雰囲気、この雰囲気だからギターも静かに聴こえちゃうんですが、よくよく聴くとメチャメチャギター弾き倒してます。さらりと凄い事やっちゃってます。

本楽曲のクライマックスはアウトロのスリリングで超ジャジーなピアノのソロ、B'z史上屈指のピアノソロ(‘恋じゃなくなる日‘という楽曲に匹敵するレベル)と言っても過言ではありません。

この楽曲のようにロックにジャンルの違う要素を上手く昇華させちゃう所が、B'zの音楽性の高さが伺えます。

そしてジャズピアノと女性コーラスの絡み合いが超絶クール、この部分を聴くためにこの楽曲リピートするくらい好きです(笑) ラストはギターのワウカッティングで終わりますが、何処かで聴いた事あるな?と思いきや「Gimme your love〜不屈のLove Driver」のギターソロ後のカッティングフレーズだ!ここでサンプリングしてくるとは遊び心に溢れてます。

歌詞は「大人の世界に入れてもらえない、未成年の心の葛藤」という内容。

タイトルも今までにない雰囲気、テーマもなかなか重い。

「なにもかも嘘だった 今まで 優しい言葉も濡れた眼も 苦いコーヒーを 飲み干した後で mm… それから何をすればいい」

大人の女性と付き合っている事で自分は大人の仲間入りをしたと、優越感に浸っていたけど、それは違っていた、カッコつけて強がって飲めないコーヒーを無理やり飲んでみたけど、動揺は止められない。

「知りながらどうしても認めたくはなかった 彼女とだれかの 絆を」 心の中では彼女に遊ばれている事は分かっていた、他の誰かの影を追いながら。

主人公はまだ未成年だと線をひかれ、周りから、笑われます。

「死ぬまで賑わう 週末の交差点mm… 僕はひとりはねられる」

大人で賑わう都会の交差点、すれ違う人すれ違う人から、弾かれている気がするという、自分は周りから疎外感を感じる描写が実に上手い。

「満たないことははがゆいこと 完全になりたい」 主人公の内なる叫びがリアルに響く。

本アルバムはこういう妙に影のある歌詞が秀逸です。

 

 

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