敵がいなけりゃ
アルバム「LOOSE」9曲目「敵がいなけりゃ」
ブラスセクションが全面に出た、ワイルドでキャッチーなロックナンバー。
これも前作「The 7th Blues」に入っていてもおかしくないヘヴィさですね。
イントロ、スネアのロールを絡めたグルーヴに、ジャジーなピアノ加わり、ピックスクラッチから、気持ち良い16ビートにロックなブラスセクションがクール。 「敵発見、敵発見」とのディストーションがかけられたセリフが効果的に使われてコミカルな雰囲気になってます。このスネアロールのグルーヴが軍隊の行進をイメージさせますね。
Aメロ♪怒りまくらにゃ いる意味がない〜ブルージーでロックなメロディー、稲葉氏のワイルド低音ヴォーカルが光ります。 スネアロールのグルーヴが非常に印象的、ピアノとベースがサウンドを引っ張ります、ギターの自由なオブリもgood。
サビ♪敵がいなけりゃ 手もふるえる〜キャッチーですね、ブラスセクションも絡んでかなりワイルドでゴージャスな感じですね。 ギターソロは文句なしのロックな感じ。 アウトロ、♪誰でも良い〜のフェイクから3連ブルースのリズムを展開。
歌詞は「人のアラを探してお金を稼ぐ」事に対しての風刺。
「怒りまくらにゃ 居る意味がない 責めて責めないと拍手をいただけない 反骨精神が俺のウリだぜ プロは違うぜ 体制に背を向けたように見せて稼いでる」
相手を責めないと名声が得られない、アウトローを演じているが実は金の亡者。
「でも 敵がいなけりゃ手もふるえる 他人のふしあわせも探してる どんな奴でもとりあえず叩く あのコもきっとソコにまいってるはず」
金になるターゲットを常に定めていないと落ち着かない、もはや依存症。
金になるなら誰でもいい。
「軽いでっち上げならかまわない 派手なブームなんかはちょうどいい獲物よ せせら笑いを浮かべながら鋭くえぐる 血の味にずっと飢えてる兵隊みたい」
世間の感心を得られるなら、多少の嘘もつく、スキャンダルが大きければ大きいほど恰好の獲物。
「でもね 敵がいなけりゃはじまらない 手も足も出ないミミズだよ あてもなく床をのろのろと そんな平和じゃ 俺たちゃメシの食い上げ」
平和な毎日じゃ、俺達の仕事がなくなる・・・・。
これは、今でいう炎上商法で稼ぐ人、SNSで誹謗中傷して人を自殺に追い込むような人達に向けたメッセージなような気がします。時代を先取りとかではなく、ホントに稲葉氏はどの時代にも当てはまるような普遍的な歌詞を書きますね。