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リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

ねがい

16作目のシングル「ねがい」
1995
531日リリース。
 

ジャズテイストをふんだんに取り入れたパワフルなロックナンバー。 
ダークでヘヴィな暗黒時代を経て、再びポップ路線に回帰!ポップな中にもヘヴィさとハードロックは失われていません、過去のポップな雰囲気とはまた違う、またもや進化している、もはや無双状態。
B+U+M
という楽曲制作陣を解体し、稲葉氏が編曲に参加するようになったのはこの楽曲から。
そして、長髪から度髪の毛を短く切った稲葉氏のルックスに驚愕、この世にこんなカッコイイ人がいるのか?と当時小学生ながら思ったものです。
 
イントロはピアノの印象的なフレーズ。スネアのワンショットでブレイク、16ビートのリズムが展開されスリリングなジャズピアノフレーズが超クール、このピアノの使い方秀逸、凄いセンス、楽曲レベルの高さが伺えます。
そしてこの楽曲の肝は、松本氏がストラとで奏でる、ジャカジャカとキレ味たっぷりのファンキーな単音カッティングフレーズ、もう存在感抜群で楽曲を引っ張ります。

A
メロ終電車揺られて〜ブルージーなメロディー、バッキングギターのカッティングが絡みます、ジャジーな雰囲気がオシャレにも感じます。
稲葉氏の裏返るヴォーカルのクセが強く、非常にセクシー
B
メロ♪Hey!いつの間にかじゃない〜
急にメロディアスで哀愁を帯びた感じに、ここの雰囲気大好きです。特に「♪自分で選んできた」
のメロディーと声の伸びが好き、エモーショナル。
サビの入りは稲葉氏の♪Uhでブレイク
サビ♪願いよかなえいつのひか〜サビで一気に爆発、しかし凄い爆発力です。パワフルなメロディーが最高に気持ちいい。特に「♪拝みたおして」のヴォーカルの抜けがパワフルで気持ちいい。
サビ前、とサビバッキングのブラスセクションも印象的、曲のテンション上げてます。

バッキングギターは3つのパワーコードを弾いてるだけなのに何故こんなにもカッコイイのか??
2
Aメロ前のギターのコードワークも、超シンプルなコードなんだけど凄くグルーヴィでヘヴィに聴こえる、不思議。
 
ギターソロは、超ブルージー。何て言っていいか分からないんですが、単なる速弾きではない、アメリカンなフィーリングとフレージングを感じる物凄いフレーズだと個人的に思います、スライド、ハンマリング、プリングを織り交ぜたフレーズをグルーヴィ弾いており、終盤のカッティングフレーズなんて超ファンキーでカッコ良すぎ、ここだけリピートして聴けるくらい好きなカッティングフレーズです(笑)ギターサウンドストラトの良さ出まくりでエグい。
 
ソロ後ギターのアーミング音がフェーアウトしながらブレイク、ギターサウンドがいちいちカッコイイ。
スネアロールからの何処でも行ける〜ブレイクを活かしたドラマティックな展開、鳥肌もの。ここの松本氏のピックスクラッチが最高にカッコイイ、ベストアレンジ、これぞ楽曲にあった正しいピックスクラッチの使い方です(笑)
♪Oh yeah
願いよかなえ〜稲葉氏の血管がぶち切れるんじゃないかと思うくらいの凄まじい高音、超ロックでエネルギッシュ、テンションMAXです。
※MV
にてここで稲葉氏が水蹴りをするシーンがあるのですが、世界一カッコイイ水蹴りだと私は思ってます。
 
アウトロ♪Oh yeah かなへたまへ このねがひかなえろよ〜キャッチーなコーラスで締めくくります、ライヴでは最高に盛り上がります。

稲葉氏のヴォーカル、ハスキーな声質は少し残っておりますが、稲葉氏のトレードマークである突き抜ける高音が進化し凄い事になってます。

歌詞は「ねがいは叶えたいなら、それに見合った行動すること」を歌っております。

「最終電車に揺られて つかまった手すりがベトつく 短い夢の中でも 思いきりオマエは冷たいね」
たくさんの人が手すりが掴まっているからベトつく、特に終電は。凄くリアルな描写、都会で会社勤めされてる方々は共感出来るのではないでしょうか。
帰りの電車の中で、少し眠る時の夢でさえ、「オマエ=ねがい」に見放されてしまう。

「「いつのまにか」じゃない 自分で選んで歩いてきたこの迷路」
自分には叶えたい夢や目標があって、現実には思い通りならなくて、「こんなはずじゃなかった」といつにまにか辛い状況正に迷路に迷い込んでしまい、嘆きたくもなりますが、元は自分の意思でその道に入り込んだわけです。

「願いよかなえ いつの日か そうなるように生きてゆけ 僕は僕に 君は君に 拝みたおして 泣けばいい」
願いは「いつの日か叶う」と楽観していたらと叶わない、そうなるように自分が行動しないと。
神様に拝むのではなく、自分自身を奮い立たせて行動はさせる事。

「もう 笑えないテレビなら捨てて 家出の準備などしてみよう」
今の状況を好転させるため、まずは無駄の物を捨て、目標を立てよう。

「世間をののしりゃ ご老人」
凄い歌詞ですが、何を意味しているのか?未だに分かりません。社会風刺なのか・・誰か分かる方いらっしゃいませんか?

「オマエの胸で窒息したい」
これはキラーワード、稲葉氏のルックスでこんな事言っちゃった日にはもう・・・。

「誰のためでもない 流れ落ちそうなこの熱い涙は」
辛くて悔しくて流れる涙、他人から同情されたくて心配されたくて流した涙じゃない。「なんでできないんだ、いつか見てろよ、絶対にかなえてみせる」という自分を奮い立たせるための涙。

「どこでも行ける きっと行ける 赤から黄色 白から黒へ」
その気になれば何だってなれるしできる、自分の色をどんどん変えて、進化して、行く所まで行こう。
この色を使った表現が秀逸。

「拝みたおして 笑えりゃいい」
死にもの狂いで努力して、最後に笑うのは自分。

WOW YEAH かなへたまへ このねがひ かなえろよ」
古典の語法と英語のミックス、んー改めてセンスを感じます。

稲葉氏は短い言葉でも聞き手が共感できる歌詞を書けるのが凄い。
「願いよかなえ いつの日か そうなるように生きてゆけ」シンプルな言葉ですが、ものすごい説得力。
ありがちな「大丈夫!夢なら叶うさ」みたいな薄っぺらさは皆無、良い意味で厳しく突き放し、現実を見せて、背中を押してくれるので、それがとてもリアル、綺麗事を言ってないというか。特にこの楽曲の歌詞はそれを感じます。

しかしこのシングルCDのジャケットの稲葉氏、ウルトラ男前です。男でも見惚れちゃうカッコ良さ。

 

 

 

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