すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

MY SAD LOVE

アルバム「The 7th Blues」5曲目「MY SAD LOVE 」

本アルバムの中でも取り分けポップなナンバー。 「Wonderful Opportunity」「恋心」等B'z特有のポップさに通じる楽曲であり、このポップさは本アルバム以降も伝承され、更に進化するので楽しみにしていて下さい。

イントロはドラムのフィルイン、16ビートの演奏が始まり、明るいギターのメインフレーズで身体が踊りますね。

Aメロ♪どんなにスムーズに 君と話してる時でも〜ブレイクダウンして、ピアノのスタッカートを駆使したバッキングが超ポップ、ギターバッキングとバンドのブレイクを活かしたアレンジが冴え渡ります、メロディーもポップ。

Bメロ♪家出少女のように見える君〜ここからバンド演奏が展開、早口気味で言葉を詰めた符割りに、ブルージーな歌い方が雰囲気出てます、しかも日本語でこのニュアンス、凄いですね、ダサくない。ヴォーカルの間を絶妙に縫っていくザクザクしたギターバッキングとオブリガードがロックです。

サビ♪イケない 全部忘れてよベイビー〜キャッチーでポップなサビメロディー。

ギターソロはブレイクを活かしたリズムをバックに、レガート速弾きはなく、比較的ゆっくりめな運指で奏でられるメロディアスなフレーズ、珍しくシンプルでコンパクトなギターソロ。 余計なソロフレーズはこの楽曲には必要ないと松本氏が判断したのでしょう、楽曲を活かすという事を重点に置く、松本氏はそういうギタリストです。

アウトロ♪まとはずれな恋は My sad love〜キャッチーなコーラスが印象的です。

歌詞は「元カレの事が忘れられない女性と付き合っている主人公のボヤキ」です。

主人公は相変わらず女性に振り回されてます(笑)この手の歌詞は稲葉節です。

「どんなにスムーズに君と話してる時でも ときどき 妙に近寄り難くなるね Ha ha ha… 家出少女のように みえる君 ほんの数秒の胸のつかえ 無意識なのが かえってやばい感じだよ 」

普段から楽しくコミニュケーションを取っている時でも、元カレの事を忘れられないんだろうと察する場面があるようです。家出少女という表現がまた面白い、つまり今はとにかくこの寂しさを紛らわせてくれる相手と一緒にいたいという一時的な関係を望んでるんじゃないか?という疑心もあり、それを無意識でやってるからタチが悪いと愚痴ってます。

「イケない 全部忘れてよベイビー そして俺を抱いて そつないハンパな優しさでじわりじわり首をしめないで」

元カレの事は忘れて俺の方を向いてよ!中途半端な優しさが逆に辛い・・・・正に主人公の本音。 分かるなぁ。

「何の理由で俺を選んだ 追憶にしろ忘却(ぼうきゃく)にしろ リリーフするだけじゃこっちもいい迷惑だぜ woman… 」

自分の存在は一体彼女とって何なのか?所詮は2番手の男なんてやってらんねぇよと怒りが込み上げてきてます。 なんとストレートな描写。

「すでに恋愛感情はないと 君は安心して見せているけど ノスタルジックに想われるヤツの方が かっちょいいんじゃないの」

恋人は「元カレの事はすっかり忘れたから」なんて主人公を安心させるように見せてるけど、「アイツカッコ良かったなぁ、好きだったなぁ」と思わせるくらいの男の方が魅力的なんじゃないの?と嫉妬が全開。まぁそりゃそうだ。

「知りたい気持ちと突っ張る気持ちでイライラしてくる 宿題(しゅくだい)残したままでひとり 平和な気持ちにならないで」

元カレがどんな男だったのか知りたいけど、知ったら自分と比べて落胆してまうかもというジレンマ、元カレを引きずったままで何事もないかのように平和に恋人同士の関係を続けないでくれ!俺の気持ちはどうなる?凄くわかる 。

ここでいう「宿題」とは元カレの事 、ロックに「宿題」なんてワードを使ってカッコ良く聴かせられるのは稲葉氏だけ。

「だけと本当はそんなことどうでもいいくらいに 君に惚れてるゆるぎない事実が 俺の弱みなのよ」 恋人に対して、不満はあるんだけど結局は、これなんですよ(笑)もう稲葉氏の十八番です、なんかあそこまで不満爆発して最後は、「でも死ぬほど惚れてるんだ」と吐露しちゃう辺りが凄くピュアで可愛い。

曲名から推測されるであろう曲のイメージはもっと悲惨な感じかと思いましたけど、凄くポップ。確かに歌詞は主人公可哀想ですが、曲はポップなのでこのアンバランスがまた良い味を出してるんです。

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