すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

闇の雨

アルバム「The 7th Blues」DISC1 4曲目「闇の雨 」

マイナーメロディーが前面に出たヘヴィなロックバラード。 アコギのアルペジオをバックに、TAKトーンで奏でる叙情的なフレーズが素晴らしい、サウンドはシンセが使われておらず、アコギとエレキギターの構成からのバラード展開は、ロックバンドを感じさせます。 

Aメロ♪冷たい雨月曜の町 君は一人〜 中音域のヴォーカルが光ります、マイナーで儚いメロディーが最高にエモーショナル、バッキングのコードアルペジオもが何とも良い雰囲気、音も完璧。

サビ前でドラムフィルとギターフレーズが絡み、光がさすようなアレンジからサビへ、素晴らしいアレンジ。

サビ♪長い闇を 走り抜け〜Aメロ、Bメロに比べれば明るいメロディーですが、何処か暗さを感じます、このバランスが上手く保てたれてます。

ギターソロ、入りのフレーズが訳の分からないかっこよさ、どうやって弾いてるんだろう?雨に打たれてる情景浮かぶフレーズ。

アウトロのギターソロは、サビメロディーを主体にしたメロディアスでエモーショナルなフレーズ、聴かせますねぇ。

ヘヴィなサウンドからブレイクダウンし、美しいアコギギターアルペジオが流れ、♪待ってるはず 闇の向こうに〜 このかすれるような感傷的な歌い方が最高に好き、たまらない、稲葉氏に殺される(笑) このドラマティックな展開に脱帽です。

歌詞は「略奪愛」結婚している男性を好きになってしまった主人公の気持ちを描いております。 非常に感傷的でリアルな描写です。

「冷たい雨 月曜の町 きみはひとり 車拾い シートに体をあずけ 静かに息をついてる」 女性主人公がタクシーで男性に会いに行く描写。

「今日まで 傷つけた人のことなど 想わない」

傷つけた人とは、 きっと好きになった男性の奥さんの事でしょうか?奥さんを傷つけているのは分かっているけど、気持ちは止められない、完全に周りが見えなくなり、のめり込んでます。 不倫匂わせる歌詞

「薄暗い昼 混みあう道 駅はまだ遠い 忙しく歩くスーツたちも 恋をしているのだろう」 人混みを歩きながら、行き交うサラリーマン達の姿を見て、私達と同じ関係を持っている人がきっといると、自分の気持ちを正当化しているよう。

`スーツ達も恋をしているのだろう‘なんて、ホントにセンスあるフレーズですね。

「待たされる人の気持ちがわかるから はやく行こう」 主人公が男性に対する皮肉がこもっていて少し怖い・・・・。

「長い闇を走り抜け あなたにもうすぐ逢える 心配することはないと 強く抱いてくれたから」

長い闇とはドロドロの不倫関係の事では?そこを耐えて乗り越えれば、きっと幸せが待っていると夢見ている主人公、男性も主人公の女性と一緒になるために、必死で心配かけまいとしている様子。

「なにもかも捨てられると 涙 見せてくれたから」

家族を捨てて、一緒になる事を誓ったのでしょうか。

笑顔で迎えてくれるあなたがいる事に希望を抱きながら待ち合わせ場所に向かう主人公。

そして

「待ってるはず 闇の向こうに あなたはいるはず....」 何とも意味深なラスト、男性は待ち合わせ場所にいたのでしょうか?いなかったのでしょうか? 稲葉氏の掠れるような歌声から想像するに、待ち合わせ場所に男性はいなかったのでは?と私は思ってます。 こんな少ない言葉数でちゃんと内容が分かる一つの物語を描ける稲葉氏、やはり凄い。

 

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