さよならなんかは言わせない
アルバム「RUN」8曲目「さよならなんかは言わせない」
ノスタルジック感溢れる卒業ソング。 ここまで純粋な卒業ソングはB'zの中でも珍しく、そして屈指の名曲です。
別れの悲しさの中にも何処か前向きな雰囲気があります。
イントロはアルペジオフレーズ、このフレーズの哀愁がたまらない。ドラムが入り、のっけから♪さよならなんかは言わせない~もうガッチリ心持っていかれますね、跳ねるメロディが、耳に残ります。
Aメロ♪潮風は強く 僕の頬をなでている~ポジティブな感じのメロディ。
Bメロ~そんなに遠くに行く訳わけじゃないのに バカだよね~切なさ漂うメロディが何ともノスタルジック。 そしてサビメロディ。
ギターソロはメロディアスで、希望に満ちた雰囲気。
アウトロの稲葉氏のアカペラはエモーショナルです。
歌詞は「前向きなお別れ」を歌ってます。今はお別れだけど、僕たちはまた会えるから、さよならは言わせないっていう感じでしょうか。
メロディだけでなく歌詞にもさびしさの中に前向きな雰囲気を感じます。
「さよならなんかは言わせない 僕らはまた必ず会えるから 輝く時間を分けあった あの日を胸に今日も生きている」 シンプルだけど響きます。輝く時間とは共に過ごした楽しい時間という事でしょうか。
「目的も夢もあやふやな暮らしだった 親のスネをかじりながら 時間だけがあった」
正に20歳の頃の自分自身、このままでは自分がダメになると思い、地元を出る決意をしました(笑)
「髪を切らないで この街にもう少し残ってみるよ あてもない門出を泣きながら祝ってくれた君が 愛しい」
この楽曲の歌詞は稲葉氏の大学時代の卒業式がモチーフとなっているらしいのですが、有名なエピソードとして、数学の教員免許を持つ稲葉氏、大学時代教育実習に行った時稲葉氏は長髪で、実習先で「髪を切りなさい」と言われ、稲葉氏はそれを頑なに拒否、教育実習を辞めたというエピソードがあります。 この時の事が投影されてるのはないでしょうか。
「弱音を吐くなら さあ聞いてやる 昔のことだけ輝いてる そんなクラい毎日は過ごしたくない」
自分は昔はこんなに凄かったんだと豪語する人がいますが、今はどうなの?と問いたくなります。 過去の栄光にはすがりたくない、少しずつでも過去の自分を超え、進化していきたいものです。
「淋しそうに太陽が沈んでも 小さな星で愛しあった 君は今もきっと笑っている」 寂しいはずなのに主人公の門出を祝っていて、成功を祈って笑ってくれている人がいる、この温かみがなんとも泣ける。
別れをただ単に「寂しい」「悲しい」と表現しない、稲葉氏の作詞力に脱帽です。
現在でも時々ライヴで演奏されますが、盛り上がりますね。