TIME
「TIME」シングル曲「BLOWIN」のC/W曲
切なさと激しさを兼ね備えた、メロディアスな正統派ロックバラードナンバー。
個人的にはB'zのバラードの中でTOP3に入るくらいの大名曲です。
イントロの美しくノスタルジックなアルペジオから心が掴まれます。
このアルペジオ、コードチェンジが目まぐるしいので、スムースに弾くのは難しい。
そしてドラムフィルから演奏が始まりサビメロディをなぞるシンセ、これがホントに切ない。
Aメロ♪こんな晴れた日は二人で丘にのぼろう~美しいアルペジオをバックに、しっとりと歌い上げてます。
Bメロ♪何もない午後の入り江を 往く船をただ見つめていた~マイナーなメロディに、ザクザクしたディストーションギターバッキングが切なさを演出。
サビ♪どうすれば 時がもどる~ 最高に切ない、エモーショナルです。
中間・アウトロのギターソロはとにかく泣いてます。
全体的に曲の雰囲気が湿っているというか、歌詞にも出てくる通り「雨」の情景が浮かんできます。 この楽曲のギターソロは楽曲の湿った雰囲気と相まって雨に打たれながら失恋に打ちひしがれている切ない感じがバンバン出ています。
歌詞の内容は「失恋」ですが、 失恋の気持ちを「時を戻したい」という強烈に過去を悔やむ表現も心をえぐりますが、情景描写が非常に秀逸、素晴らしい表現力です。
「こんな晴れた日は二人で 丘に登ろう 港が見渡せる丘に どんな空が思い浮かぶ 教えておくれキスしたい気分さ」
この情景描写、メロディと相まって何ともノスタルジックな気分になります、なんか胸が締め付けられるというか・・・
「何もない午後の入り江を往く船をただ見つめていた」
昔を回想しており、二人の間にはまだ穏やかで波風立っていない事が分かります。
「どうすれば時が戻る」
このフレーズで過去を悔やんでいる事が分かります。
「どれだけ涙流れても 静かに海は広がる」
どれだけ自分が悲しくて涙を流していても、目の前に見える海は一切姿を変えず穏やかそのもの、言葉にならない絶望感を表しています。
「降り止まない雨の中を 濡れて歩こう 手をつなぎ 声をあげて 橋を飾る傘たちの間を縫って 君の部屋までいくよ」
素晴らしい情景描写、小説家みたい、稲葉氏は天才。
「言葉はいつも役に立たない あの日の君の声は もう僕に届かない」
失恋経験がある方は誰しも経験する気持ちではないでしょうか。
いつ聴いても♪あの日の君の声は~部分、稲葉氏のハスキーな声と感情を絞り出すようなヴォーカル がホントに素晴らしい。
この楽曲をシングルのカップリング曲にできる余裕が凄い、さすがB'z。
自分ならシングルで出す(笑)
ちなみに歌詞中に出てくる「港が見渡せる丘」は横浜市の港の見える丘公園がモデルであるといわれているらしいです。 以前この場所へ実際に行ってみて「TIME」の歌詞を回想しながらえらく感動したのを覚えてます(笑)