孤独のRunaway
ミニアルバム「MARS」1曲目 「孤独のRunaway」
ポップとロックのバランスが見事に取れた「ザ・B'z」なナンバー。
現在でもライヴで歌い継がれる大名曲です。当時はてっきりシングル曲だと思っていましたが、あくまでもミニアルバムの中の新曲みたいな立ち位置なのが信じられないくらいクオリティーの高い楽曲。
イントロ♪ジャーン ジャーンJust a runaway止めないでよ~いきなりサビから入る凄いインパクト、一気に心持っていかれます。 B'zでザビから入る楽曲は珍しいです。
8ビートのリズムに軽快なシンセ、楽曲の顔である印象的なギターフレーズが乗って曲が展開。 シンセはバックに引っ込み、ギターサウンドが前面に出ております。
Aメロ♪雨上がりの明け方 とっくにお前は消えていた~ギターのクリーンカッティングに、B'zのアレンジでよく使われた「オーケストラヒッツ」が効果的に使われており、以前とは違う雰囲気出てます。
Bメロ→サビ前のlike this!サビ♪Just a runaway止めないでよ~の流れがカッコいい、このサビフレーズはホントにキャッチー。
松本氏のギターは、攻めの姿勢を感じます。 特に中間・アウトロのギターソロはアームを使った唸りを上げるクレイジーなトリッキープレイ、当時は「過激だなぁ」と衝撃を受けました。
こういう大衆向けの楽曲にマニアックなギタープレイを昇華させる能力、センスが素晴らしい。 ギタリストのエゴになってもダメ、かと言って上手くまとまって控えめになるのもダメ、松本氏は攻めに入りながらもこのバランス上手く保ってます。
歌詞は一見「主人公の自由奔放な生き方が災いして彼女にフラれた」という内容。
1番の歌詞は、同棲をしていた?であろう男女、男が仕事、仲間、彼女をほったらかしていたら出て行ってしまった描写ですが。
よーく歌詞を読み、考えてみると・・・
「 代わり映えしないマンネリな日常を打破したければ、愛だの義理だの綺麗事を言ってないで、傷ついたり憎まれたりする事を恐れるな。だから何も手に入らないし、何も変わらない。失うモノはあるけどその分手に入れられるモノもある、自分の心がそうしたいって気持ちがあるのなら、長い年月くすぶってるのは止めて今すぐ行動しよう。 後悔は少なく行きたいから、どうか自分を止めないでくれ」なんてメッセージを感じます。 Runaway=逃亡ですが、この逃亡を現状の「打破」に例えている。 こんなに深い歌詞だったんだ。
稲葉氏が書く歌詞を紐解くのがホントに面白い。
「愛を殴ってみよう 義理を蹴飛ばしてみよう」凄い歌詞、天才。
ちなみにこの楽曲女性ギタリスト「安宅美春(後にKIX‘Sという1990年代に活躍した女性ユニットのギタリスト)」のデビュー作品としてB‘zが提供してます。
こんな大名曲を提供する余裕が凄い、自分ならこんな大名曲他のアーティストに絶対渡したくない(笑)