すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

破れぬ夢をひきずって

アルバム「The 7th blues」DISC1 7曲目 「破れぬ夢をひきずって」

キーボードの美旋律が印象的な、メロディアスロックナンバー。

ダークとメロディアスな部分が上手く融合し、絶妙なバランスに仕上がっております。 イントロの儚い感じのキーボードフレーズ、何かを警告するような感じがゾクゾクします、そこからバンド隊のジャーン(これだけでカッコイイ)が始まるドラマティックな展開。相変わらず存在感抜群のピックスクラッチ

ドラムフィルからタメの効いた16ビートの重厚感あるグルーヴが始まる、メロディアスなベースフレーズの応酬、ここのアレンジ、マジで神がかってます、衝撃でした。

グルーヴの要であるベースが、これだけギター並みに動くフレーズをベースでやっていて、そしてそれがグルーヴ感を殺さず馴染んでいるのが凄い、センスが素晴らしい。

ブレイクの後、メロディアスでダンサブルなキーボードフレーズ、これも素晴らしい。 Aメロ♪疲れた細胞酔わせて〜バッキングのメロディアスキーボードフレーズが効果的に使われてます 。

Bメロ♪夢見て 失望して〜伸びやかなメロディーにザクザクと刻むギターバッキングに隙間をなぞるナチュラハーモニクスが印象的。

サビ♪破れぬ夢をひきずって〜儚いメロディー超エモーショナル、重厚感のあるグルーヴにキラキラしたキーボードが浮遊感を演出、メロディアスなんだけどダークな雰囲気な世界観がたまらない。

間奏のギターソロ前のブレイクで、アーミングを駆使し、ギターが咆哮、ギターの低音フレーズから切り込むあたりが超ロックです、最後は鬼のレガートフレーズが冴え渡る。

アウトロは♪Just let me go!の切ないシャウトがフェードアウトし、サビメロディーがストリングスアレンジで美しく流れる。アレンジが壮大、メチャメチャ凝ってます、溢れる出るアイデアを躊躇なく出しまくってますよね。 

歌詞は「夢を追いかけるか恋人との付き合いを選ぶのか、主人公の葛藤」を描いてます。

「疲れた細胞を酔わせて 遠くを見ているよ 飢えることに飢えてゆく自分がもどかしい 夢見て 失望して 何かを悟ったつもりになってる 吠えられない 守りきれない負け犬だ」 

疲れ果てて、ボーッとする事が多くなった、もどかしい気持ちを抱えながら日々を送ってるいる主人公。 夢に向かって一生懸命頑張ったけど、挫折して、それで自分がさも大きな経験をしたかのように振る舞う、そんな自分が負け犬だと思っている主人公。

「奥歯ギシギシいわせて 君を抱いてるよ 互いによく知った体を 汗でつないでる いつまでも 変わらないで そう祈りつづける女の側で このままじゃだめだと 男はうなだれる」

恋人と愛し合っている時でも、モヤモヤしている主人公。

彼女は「このまま変わらず一緒にいたい」と願っている、でも主人公はこのままではいけないとまた落ち込む。

「叶わぬ想いだからと たやすく手をうてば 本当に楽になれるのかな めんどクサイね ずっとすがってるだけじゃ I'M JUST A LOSER」

きっと夢を追い続けても叶うはずがないと簡単に諦めればきっと楽になれる、でもずっと何かにすがってるだけじゃ自分は敗北者のまま・・・。

「あふれる涙ぬぐわずに 痛みを 噛みしめる」 主人公は彼女と別れを決意する事が伺えます、彼女は泣いているけど、その涙を拭わずに立ち去る、痛いほど分かる彼女の辛い気持ちを噛み締めながら。

ホントにこの頃のリアルでヘヴィな恋愛描写は、神がかっています。深みがありますよね、感傷的というか。 小説書けますね(笑) 

 

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