赤い河
アルバム「The 7th blues 」DISC1 9曲目 「赤い河」
壮大なスケールを感じさせるサウンドが印象的なミドルテンポのメロディアスロックナンバー。 イメージはグランドキャニオンです。
イントロは約1分40秒に及ぶストリングス、のっけからスケールが大きい、ホントにB'zは音楽性豊かですよね、この手のストリングスをイントロに持ってくる所がもう只者ではないですよね(笑) 流れ星を想起させる、ファンタジックなフレーズからサビ♪FIND ME NOW 宇宙の果ての惑星で〜長いストリングスから視界が一気に開けるようにメロディアスでキャッチーなパンチあるサビでノックアウト、凄いインパクト、壮大なシンセフレーズが超印象的。
Aメロ♪逃げても 追いかけてくる〜バスドラムとカウベルを駆使した穏やかなリズムに、この憂いに満ちたメロディーが最高です。
2番Aメロから8ビートのバンド演奏が始まる部分、ロックバンドって感じです。
ギターソロは、シンプルなフレーズですが、ドラムフィルを活かしたグルーヴで展開され、バンドの一体感があり 、オーケストラでやっても違和感のないドラマティックで壮大なアレンジ、速弾きなんてしなくても十分かっこいい間奏。
アウトロはバスドラムとカウベルを駆使した穏やかなリズムに、エモーショナルなギターソロ、TAKトーンの伸びが最高に美しい。
歌詞はタイトルから見るに旅情かと思いきや「自殺したいくらい落ち込んでる主人公の葛藤」深いテーマです。
「止まらない いつまでも このくやし涙 理解りあえない 人たちから遠ざかりたい」 人間関係で悩む主人公、お互い歩みよって分かり合う事は大切だけど、なかなか上手く行かないのが現実、どうせ分かり合えないから関わらないようにしよう、気持ちはよく分かります。
「長い橋の上にひとり 座ったまま固まりそう」
橋の上から飛び降りようとしている主人公、でもそんな勇気もなく固まってしまう。 「救えない 引き裂かれた心を誰にも 逢ってみたい このボクを求める人に」
人間、誰からかに必要とされたいはず、それで自分の存在意義を感じる。 きっとあなたを必要としている人が必ずいるとこの主人公に言ってあげたい。
「どこに戻れるの ここから飛び降りたら」
自殺願望が止めれない主人公。
「何億の月日をかけ 大地を削ってゆく 泥も涙も 飲み込んで 流れる 」
何億年もかけ、大地を削り、飲み込んでいく赤い河に比べれば人間の命なんて短い、惑星規模から見れば人間はホントにちっぽけ、そう考えると悩みなんてどうでもよくなる・・・・だから死ぬな!というメッセージにも聞こえる。
主人公は人間は小さい存在であると気づき、"小さなヒトの苦しみもまた塵のよう"と悟り、自殺を止める。
延々と悩んでいる描写をするのではなく、惑星や広大な自然と対比させ、人間や悩みの小ささを表現するのは、もう天才の発想力。深みがありますね。
自殺防止ソングだと思います。
ちなみにタイトルは、グランド・キャニオンのコロラド川に由来するそうです。 イメージ通りの楽曲。