すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

7作目のアルバム The 7th Blues

7作目のオリジナルアルバム 「The 7th Blues」 1994年3月2日リリース

 

ブルージーなハードロックアルバム。

B'zの音楽ルーツを知る事ができ、おそらく当時のB'zがやりたかった音楽を自由にやってます、B'z=ハードロックのイメージを決定づけた作品でしょう。

「ブルース」というワードが入ってるので、ブルース曲がメインかと思いきや、ジャズやファンク、ブラスアレンジが入った楽曲もあるため、内容は非常にバラエティーに富んでおります。

以前までのようなハードロックをベースにしたポップなサウンドにメロディアスな作風から一転、ヘヴィなサウンドが全面に出て、歌詞の内容もダーク、ドラムの音は完全に生音、全体的にライブ感のある演奏で素晴らしいグルーヴ、楽曲もリフ先行で曲展開するモノもあり、J-POPではなく洋楽のハードロックを聴いているよう。音は洋楽に非常に近い。

正直私も初期の爽やかで、程よくロックでポップでメロディアスなB`zからハマったので、本アルバムは難解に感じて受け付けない楽曲もあったのですが、今でこそ聴けるようになりました。

日本ではマニアックなジャンルであるハードロックを日本のミュージシャンがここまで高水準のハードロックに仕上げ、しかも売れて世間に知らしめた功績は本当に凄い事。 初期からのファンはさぞビックリしたでしょう、おそらくファン離れが加速したとは思いますが、洋楽ロックフリークの新たなファンを獲得出来たのでは。

この頃は長期に渡るライブツアーの敢行でメディア露出は激減、ルックスも長髪になり、サウンドと歌詞のヘヴィさ相まって「暗黒時代」と呼ばれております。 松本氏のギターは、Gibsonレスポールメインの温かみのあるナチュラディストーションサウンド、乾いたクリーンサウンド等ギターのサウンドが最高に気持ち良い、カッコいいリフの応酬、ギターソロはコピー不可能であろうフレーズばかりで相変わらずギターキッズ泣かせ。

稲葉氏のヴォーカルはすでに覚醒にしておりましたが、更に脂が乗り、無敵状態。

本楽曲では荒々しくワイルドに歌っており、1小節の中に言葉を詰めるだけ詰めてラップの如く早口で歌唱する手法を確立してます。

シャウトにも更に磨きがかかり、水を得た魚の如く連発しまくり。

ブルージーでセクシーなフェイクも冴え渡ってます。

歌詞は内から吐き出すかのようなヘヴィな内容目白押し。

以前はアルバム制作時はライヴツアーや仕事の合間に行っていたそうなのですが、本アルバムは初めて楽曲制作に専念できる状況でレコーディングしたため順調に曲が完成し20曲もの曲数が出来上がったとのこと。

2枚組なのに先行シングル曲が「Don't Leave Me」1曲のみという力作っぷり、攻めの姿勢を感じます。(うち2曲は過去のリアレンジ曲)

B'zのお二人も「これからの基本姿勢ができた」「ターニングポイントとなった」と語っております。

売れる作品を意識して作ってきた事で、B'zをアイドル的に見る人がいるのも事実、だからこそ本アルバムで自分達の音楽ルーツはこれなんだと世間に啓蒙したのでしょう。

6年前に♪だからその手を〜と歌ってた人達がここまで格段の進化を遂げた事が信じられない。わずか6年でここまで音楽性やルックスが激変し、進化を遂げたアーティストは世界でもなかなかいないと思います、特にデビューから6年は音楽性やサウンドがコロコロ変わるので凄く面白いです。しかも進化しつつ人気も衰えず更に人気が出ているのが驚きです。

B'zの音楽ルーツに触れる事ができ、聴けば聴くほど深みにハマるスルメアルバム、ご堪能下さい。

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