すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

Don't Leave Me

14作目のシングル「Don't Leave Me 」 1994年2月9日リリース

前作「裸足の女神」の作風から一転、ブルース色が全面にフィーチャーされたヘヴィなロックバラード。 ここから15作目シングル「MOTEL」をリリースする年までは、B'zの「暗黒時代」と呼ばれています。

メディアへの露出を大幅に減らし、長期に渡るライブツアーを敢行、稲葉氏は茶髪で長髪、ダメージジーンズ、ネルシャツといったアメカジスタイルになります、以前のような爽やかなルックスだった稲葉氏は何処へ?というくらいイメチェン(それでもカッコいいですけどね) サウンドもヘヴィになり、乾いた感じの雰囲気はアメリカンロックそのもの、歌詞の内容も自身の内面を吐き出すような物が多く見受けられる時期、初期からのB'zファンは大変驚いたのではないでしょうか?

イントロからブルース特有の3連リズムにヘヴィなギターリフとブルースハープが奏でるフレーズがモロにアメリカンロック。

ギターアルペジオのみの演奏に切り替わる所がとてもドラマティック。

Aメロ♪惜しくない 君を失っても〜 感傷的なメロディーがたまらない、バッキングの乾いたサウンドで奏でるギターアルペジオがより、雰囲気を出してます。

この稲葉氏の感傷的で枯れるような歌い方がメチャメチャ大好き。

また2番Aメロは、バッキングにメロディアスなギターフレーズが入るのがクール。

サビ♪Don't Leave Me 誰もいない 僕を許してくれるのは〜伸びのある感傷的なメロディー、絶唱です。アルペジオのみの演奏からドラムフィルからブレイクを活かしたバンド演奏が超クール。

Cメロ♪一体何処に辿り着けるの Tell me baby!ここの狂ったようなブチ切れたシャウトがヤバい。

シャウトからギターソロへ、超ロックな展開、楽曲のクライマックス、松本氏独特のタイム感満載、狂ったようなレガートフレーズ、途中に入るピッキングハーモニクスが入るタイミングが絶妙、J-POPの枠を超え、もうアメリカンロックですよ。こんなギターソロをミリオンヒットに入れ、昇華させてしまうセンスが凄い。

RUNの頃から今でこそ松本氏のトレードマークであるGibsonレスポールギターが使われ始めてます。

以前YAMAHAのMGというギターをメインで使用してた頃は、無機質で機械的ディストーションサウンドでしたが、Gibsonを使用しはじめてから、温かみのある、ナチュラルなディストーションサウンドに変わり、よりハードロックサウンドになりました。

稲葉氏のヴォーカルはすでに覚醒していますが、この頃は更に突き抜けて行く所まで行っちゃってるレベル。

歌詞は「行かないでくれ、君を失いたくない」という心の叫びを描いてます。

君を失っても惜しくないと言ってるのに行かないでくれとか言っちゃう辺り、稲葉氏の歌詞によく出てくる女々しさが垣間見えますが、どうしようもなく落ち込んで、自暴自棄になってしまう内なる叫びの表現が素晴らしい、「自分の身を切りつけて血を流しても癒せない痛み」なんてハードな表現も出てくるので、以前の詞では見られなかった新たなアプローチです。 落ち込んでる時聴くと染みます。 下をうつむきながら聴くと最高に浸れます(笑)

「思い出はいつも 綺麗な花びらみたい 間抜けな心 もてあそびながら 悲しみに追い込むよ」 個人的に好きなフレーズ  思い出を綺麗な花びらと例えるセンスよ。

この楽曲の凄い所は、ブルースの3連リズムの曲なのにミリオンセラーを達成してしまった事、しかもサウンドもハード。普通なら歌謡ブルースっぽくなってしまうのをこんなにカッコよくアメリカンテイスト仕上げてしまうのはさすが。

当時のB'zの勢いがどれだけ凄かったか伺えます。
暗黒時代のB`zもアーティスティックでいいですよ。

 

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