すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

LOVE IS DEAD

アルバム「The 7th blues」DISC1 1曲目「LOVE IS DEAD」

オルガン、ブラスがフィーチャーされたジャジーでゴージャスなハードロックナンバー。本アルバムの幕開けに相応しい派手さです。

「愛は死んだ」とのっけからヘヴィです。

イントロは急に電話の呼び出し音が鳴り、外人同士が何やら電話してます、おそらく「日本のロックバンドでB'zって知ってるか?最高にイカしたバンドだ、聴いてみてくれ」みたいなやり取りしているいきなり面白い展開→ オルガンのダンサブルで怪しいフレーズ、なんかゾクゾクします→一気にバンド演奏へ、この爆発力のある展開がカッコいい、うねるようなグルーヴが最高です。メインのブラスセクションのフレーズがキャッチーでカッコよく、特にギターとユニゾンする所、超決まってます。

Aメロ♪Long night 眠れないと嫌な夢さえ見れない〜マイナーなメロディーが暗い雰囲気出してます。

Bメロ♪病状は悪化をとたどる〜サビへの爆発力を持つメロディー、リズムとりにくそうに難なく歌うのはさすがです、フレット間を移動するコードバッキングに、開放弦駆使したキュイーンキュイーン音がするバッキングが斬新、自由にやってますね。

サビ♪Love is dead消してよ 死んだ恋の呪文を〜マイナーメロディーでキャッチーなサビ。叙情性と程良いポップさがマッチして、哀愁があるんですよねぇ。

2サビが終わるとすぐにブラスソロ、リズムもジャズっぽくなります、このソロがまたクールなフレーズを連発、ブレイクダウンを経て、ジャジーなギターのフレーズがヤバい、ライトハンド奏法?を駆使したトリッキーなソロ、凄すぎて唖然、バンド演奏が始まりクライマックスのギターソロ、鬼気迫るような速弾きがちょっと怖い(笑)

ギターの難易度はB'zの中でも屈指でしょう。 ギターソロ後のCメロはモロにJAZZ。

アウトロでは、この楽曲の顔である前奏のブラスメインフレーズがもう1度展開されますが、ここでの稲葉氏のフェイクがエモーショナル。

特にこの楽曲のグルーヴはベースが肝、ルート弾きという概念ではなく、動き回るようなジャジーなベースフレーズが、浮いてるようなうねるグルーヴを産み出しています。ジャズベーシストが弾くようなフレーズをさらりとハードロックにフィーチャーするセンスと編曲能力に脱帽です。

歌詞は「失恋」を歌ってるのですが、ここまで救いようがないダークな失恋模様を描いた歌詞はなかなか無いと思います。

「どんなに悲しいニュースでも意味がない どんなに強いウオッカの味さえもなんだかわからない」

悲しいニュースを聞いても何も感じない、アルコールの強いお酒を飲んでも味が分からない、それくらい主人公は追い込まれてます、どのくらい辛いのかが伝わる歌詞ですね。

この酷い落ち込みは悪化を辿り、手の施しようがなくなり、こんな惨めを俺を笑いたいやつは笑えと自暴自棄になります。

「LOVE DEAD消してよ死んだ恋の呪文を この体から じゃないとまともに生きられない」 苦しみは相当のようです。呪文てワードがなんかファンタジック。

「なりふりかまわず古き良き日に とりつかれてるヤツの うわ言聞けないと 匙をなげて 溜め息まじりに身内も離れてゆくよ」 恋人と過ごした楽しい日々が忘れられず、それにとりつかたかのように語る思い出話は聞いていられない、特に周囲は聞かされたらたまったもんじゃない、「こいつは駄目だと」周りも離れていく。

「聞き分けのない子をあやすように ah… 軽く 諭されて 終わってゆくのか そしてすべてを失う日がやってくる」

正気を失っている主人公、周囲の慰めや意見なんて聞けない状態はもう聞き分けない子供のように扱われている様子、腫れ物扱いされ、やがて全てを失う。

「流れる 季節にだれひとり 待ってはくれない おいてきぼりの 亡霊は叫ぶ」

孤独になってしまい、救いようのない結末。自分を亡霊と例えるあたり、無気力て全く覇気がない状態なのでしょう。 こんな感傷的でハードな歌詞と音楽性が富んだアレンジ、これまでのB'zにはなかったですよね。 B'zは他の音楽ジャンルの要素を貪欲に取り込み、常に革新的で、我々リスナーを楽しませてくれます。 

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