すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

いつかのメリークリスマス

ミニアルバム「FRIENDS」 scene1 「いつかのメリークリスマス

季節感たっぷりのアコースティックバラード。 もはや説明不要の超有名曲でしょう。 国民がクリスマスシーズンになると聴きたくなる山下達郎氏の「クリスマスイヴ」と双璧を成す楽曲であると断言致します。

歌詞、メロディー、アレンジ全てにおいて、センスの塊、完璧。特にアレンジはクリスマス感が凄く出ています。

イントロのオルゴールの切ないサビメロディでもうノックアウト。 M7コードのアコギアルペジオが美しく効果的に使われております。バッキングでは、シンセの短く切って鳴らしているのですが、冬の空をサンタクロースがソリに乗ってる感じ、天才的アレンジセンス。

この伴奏のままAメロへ♪ゆっくりと12月の灯りがともり始め~優しく包み込むようなメロディー、妙に明るさもあります。

Bメロ♪僕は走り閉店間際 君の欲しがった~すごく幻想的なメロディー、特に間奏のアコギソロ後は、アレンジと相まってすごくロマンチックな雰囲気です。

サビ♪いつまでも 手をつないで~美しくも切ないメロディー、もう最高。

松本氏の中間とアウトロのアコギソロはB'zの楽曲の中でも屈指の名演、シンプルだけど超エモーショナル、アコギソロの日本最高峰でしょう。素晴らしさを伝えたいのですが、語彙力がありません(笑)

エレキギターは一切使われておらず、松本氏は完全に作曲家に徹しています。ハードロックをやるアーティストがこんなセンチメンタルな楽曲を描ける所がたまらなく魅力的。

稲葉氏のヴォーカル声を張り上げずに、中音域で情感たっぷりに歌い上げるヴォーカルざ素晴らしい。 歌詞は本作品の「回想」にあたり、「昔の彼女との楽しいクリスマスの思い出」を回想しております。 情景描写だけでなく、彼女との微笑ましいやり取り、クリスマスの過ごし方等の表現が、ホントに恋愛小説みたいなんです。

そしてこのメロディーと見事に化学反応を起こし、「恋人と一緒にこんなクリスマス過ごしたいなぁ~」という気持ちにさせます。

最後はAメロで終わるのですが、 「立ち止まってる僕のそばを 誰かが足早に 通り過ぎる 荷物を抱え 幸せそうな顔で」 この「誰か」とは元カノなのか?知らない人なのか?意味深な内容、永遠のテーマです(笑)

思い出を回想していたけど最後の最後に現在の状況を描写するという展開がこの楽曲の何処かファンタジックな雰囲気を醸し出している要因かと。

この楽曲、シングルじゃないのが驚き、アルバムの中の1曲という位置付けなのが勿体ないくらいのクオリティ。なんかこの楽曲だけ1人歩きしちゃってます。 シングルにすれば確実にミリオンいったでしょう、それをやらなかったのは自信の現れなのでしょうか。 B'zのお二人も「皆さんにこんなにも愛される楽曲になるとは想像していなかった」とおっしゃっていましたが、こんな凄いの作っちゃったらそりゃ愛されますって(笑) 

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