すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

ゼロより ゼロから

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
10曲目「ゼロより ゼロから」

優しく、爽やかなアコースティックバラードナンバー。

アコギの優しいアルペジオから、ミディアムテンポに乗せたメロディアスで爽やかなギターフレーズが素晴らしい。個人的には"陽だまり"を想起させる温かみのあるギターフレーズだと思います。

Aメロ♪どんな時だって〜アコギのストロークバッキングに優しく小気味の良いメロディー、爽やかですね。

サビ♪手にしたすべてが〜爽やかな中にも少し哀愁漂うメロディー、バッキングのアルペジオがメロディー引き立てます。
個人的に♪わけじゃない〜のちょっと音程が上がる歌い方が好きですね。

全体的にピアノのバッキングが効果的に効いてます、爽やかさを引き立ててますね。

ギターソロ、松本氏の手癖全開で情感がたっぷりこもってます。

"どんな時だって
好きなようにしてきたけど
一体 この虚しさはなんだろう
誰が悪いの? 何が足りないの?
分からないけど
明日 君に会ってみよう
I′m gonna be alright!

手にしたすべてが
ずっと大切なわけじゃない
ゼロよりゼロから
はじめてみるのもいいかもね

なにも無理に
今を壊すことはないけど
まったりしてるのは
性に合わない
どうしても君を好きだってこと
分かってるから
この坂登って曲がろう
I'm gonna be alright!

恋した瞳に
ずっと見つめられたいわけじゃない
ゼロよりゼロから
出直してみるのも悪くない

手にしたすべてが
ずっと大切なわけじゃない
ゼロよりゼロから
はじめてみるからいいんだよね

恋したすべてが
ずっと必要なわけでもない
ゼロよりゼロだから
なくすものなんか もう何も"

固定観念に縛られず、いろんな角度から物事を見てみる、違うと思ったら時には一旦捨てるのも大切。
恋模様を描いた歌詞ですが、私にはこんなメッセージが込められてると思います。深読みし過ぎかもしれませんが(笑)

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain



愛〜愛〜愛〜

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
9曲目「愛〜愛〜愛〜」

B'zを彷彿とさせる16ビートのねちっこいダーティーなファンキーロック

イントロ、デジタルビートから16ビートに乗せた、単音とオクターブを駆使したギターカッティングが超クール。
このリズムとフレーズ選びがホントに絶妙。

Aメロ♪投げかける話題なら〜
カッティングとパワーコードを組み合わせたバッキングがグルーヴィー。

Bメロ♪だってそんなこんなが〜早口フレーズにパワーコードを畳み掛けるようにザクザクに刻むバッキングリズムが超気持ちいい。

サビ♪愛〜愛〜愛〜勢いのあるBメロから一旦コードをジャラーンと鳴らしてブレイクしてからのサビ、引き立ちますねぇ。
キャッチーなサビメロディーとねちっこい感じのヴォーカルが絶妙です。

ギターソロ、松本氏特有の運指フレーズが炸裂、テクニカルというか独特のリズムと運指なので、印象的。例えコピー出来たとしても同じように弾ける気がしない。

"投げかける話題なら
いつも内角低めで
他人の傷みなら
100年だって耐えられる

だって そんなこんなが結局楽だし
誰ともトラブりたくないし

愛 愛 愛
愛がたりないんだ すこしだけね
あなたに ありあまる
優しさ贈りたいんです 優しさって何?

中途半端な楽しみ
すこし減らしてみよう
得意じゃない あの人に
はなしかけてみようかな

だけど 人の視線やっぱり気になるし
誰からも誘われたいし

愛 愛 愛
求めるばかりで出せなくて
誰かが払ってくれるばかりが
得じゃないんです そうですよ!
愛 愛 愛
愛がたりないんだ すこしだけね
あなたが 微笑むとこも見てみたいんです
(いや ホント マジで)

愛 愛 愛
愛がたりないんだ すこしだけね
あなたに ありあまる優しさ贈りたいんです
優しさってわかんないけど
愛をあげるよ もっともっと
心から あなたを愛せるようにがんばって
優しくなるよ"

本当の愛や優しさとは何か?それを知らずに生きてきた主人公の心の叫びなのでしょうか。自分の中で湧き出る感情との葛藤が垣間見れます。
なかなか抽象的な歌詞。


www.youtube.com

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain




冬の灯

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
8曲目「冬の灯」

セクシーな雰囲気を纏うメロディアスなバラードナンバー。

イントロ、エリック・クラプトンを彷彿とさせる、流麗なギターアルペジオ。アコギとシンセサイザーのギターを駆使したサウンドにセクシーなギターフレーズが切り込む、超クール。

Aメロ♪静かに舞う雪は あなたの深い悲しみ〜セクシーでメロウな雰囲気が良い感じ。バッキングのアルペジオとシンセが浮遊感を演出。
2番はメロウなギターオブリガードが聴けます、松本氏はこういうギターオブリのはめ方が絶妙なんですよね。

サビ♪ふたりなら永遠を抱いていけると〜シリアスで哀愁のあるメロディー、超切ない。ディストーションアルペジオが切なさを倍増させてます。

ギターソロ、ホントギターが泣いてるんですよね、松本氏の表現力はホントにずば抜けてます。

ドラムフィルからのラストのサビ、
ストリングスも加わり壮大な雰囲気に。

エンディング、切ないピアノフレーズをバックに、切ない咆哮を上げるヴォリューム奏法、最高に感情むき出しのギターソロ、切なくも凄く色気のあるフレーズ、感情移入しちゃいますね。


"静かに舞う雪は あなたの深い悲しみ
引いては寄せる波は 僕の曖昧な想い

何もかも辞めて つかんだこの恋
何故 僕は変わっていく

ふたりなら永遠を抱いていけると
信じてたのは あなただけじゃない
心から「好きです」と 伝えられるかい?
想いでに変わってしまう…

時折 過ぎる汽車は
あなたの街に行くのだろう
元気にしていますか?
たまにはテレビ観ますか?

ここからの風景が とても好きで
またひとりで来ています

ふたりなら永遠を抱いていけると
信じてたのは あなただけじゃない
消え去った 冬の灯は美しく
灯ることは もうないんだね

ふたりなら永遠を抱いていけると
信じてたのは あなただけじゃない
ほんの小さなすれ違いさえ 許せなかった
縛られて 微笑んで 苦しくて 泣いてた

あなたは今どこでどうしてるの?
辿るものは もう何もないよ
さよならも言わないまま離れたけど
今 あなたが しあわせならかまわない

あなたが しあわせならかまわない"

失恋を歌ってると思われます。
失恋とは言っても、なんかスマートな感じの歌詞。個人的には背中で語る感じの大人の余裕を感じます。

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain







神様へ

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
7曲目「神様へ」

ミディアムテンポなブルージーハードロック、重厚感がありアメリカンな雰囲気が漂います。

イントロ、ディストーションサウンドでコードを1音1音シンプルに鳴らすリフ、ブルージーでシリアスな感じがたまらないです。

Aメロ♪おまえがそうなったの〜
バッキングはメインギターリフ、このバッキングに相応しい重厚感のあるメロディー。

サビ♪神様 助けて 運が悪いなんて 言わないで〜
ブルージーでロックなメロディー、ワイルドで野太いヴォーカルがマッチしてますね。

2Aメロ♪NOW YOU NEVER KNOW〜の部分、ちょっとフェイクっぽく外して歌ってるんですが、こんな感じのヴォーカルが聴けるのはこのアルバムだけでしょう。良い感じですよ。

ギターソロ、エグいチョーキング冴え渡ります、ソリッドなディストーションサウンドと相まってメチャメチャカッコイイです。途中メロディアスなフレーズに変わり、鬼気迫るラン奏法からの、ラストはピックを駆使した高速タッピング、もう最高。
テクニカルでは無いけどメチャメチャカッコイイ、松本氏のギタープレイの中でも上位に入りますね。
テクニカルなプレイより、シンプルだけどかっこ良くて印象に残るギタープレイの方が私は好きです。


"おまえが そうなったのは
誰かのせいじゃないぜ
欲望の沼に 飲み込まれて何も見えない

もがいても もがいても
ただ堕ちていくだけ

神様 助けて!
運が悪いなんて 言わないで
「金がなきゃ魂さえ買えやしない!」
なんて 考えるようになっちまったぜ

NOW YOU NEVER KNOW
いい奴だったんだ 愛されて
生まれてきたんだ この世の中が
狂わせたというけど
皆さん 正直に 生活てます
罪を憎んで 人は憎まないって
そんなのありかい

神様 教えて!
私 意味のない人ですか?
そういえばママから よく言われてた
「あんたほんとにダメな子だよ」って

神様 守って!
あおく輝く命を!
神様 おねがい!
この痛み もうすこし和らげて"

この歌詞は、"制作当時に社会で起きた出来事に対する思いを歌ったもの"だと語られてます。
意味深で抽象的な表現ですが、おそらく当時社会問題になった事件を題材にして、加害者側の複雑な背景を描いたのではと推測しました。勘繰り過ぎかもしれませんが(笑)

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain








two of us

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
6曲目「two of us

ジャジーでオシャレなミディアムテンポのポップナンバー。

イントロ、ドラムフィルからの心地いい程よいポップな16ビート、ピアノフレーズにギターで奏でるポップなフレーズが絡んで最高にお洒落。

Aメロ♪今 君と僕が 一緒にいるのは〜
ミディアムテンポに、スカっぽいカッティングがポップさを演出、メロディーも優しくポップな感じ。

Bメロ♪毎日があたりまえに過ぎて〜マイナー調なメロディーに変わり、バッキングのクリーンアルペジオが印象的。

サビ♪愛してる ただ それだけなんだ〜
何処か切なさも感じさせるメロディー。

ギターソロ、こういうミディアムテンポな楽曲でも、存在感のあるギターサウンドを引き立たせるのはさすがですね。自己主張が強いけど、楽曲を殺してない、ちゃんと曲に馴染んでるのが凄いですね。 

歌詞全文
"今 君と僕が 一緒にいるのは
何故なんだろう?
出会って 恋に堕ちて 結ばれて
愛になっていれば良いよね?

毎日があたりまえに過ぎて
時々 忘れそうになる

愛してる ただ それだけなんだ
「ありがとう」なんて
いまさらテレるけど
I'LL BE THERE
I LOVE YOU I'M BY YOUR SIDE
ふたりで あるいていこう

ここまで回り道も いっぱいしたけど
たどり着いたよ
君があの階段を のぼった時から
決まってたんだね

雨降る 6月の夜だった
また会える そんな気がしてた

恋したい それくらいインパクトあったよ
だめでモトモト 久しぶりにトキめいた
あの頃 遠くはなれてたけど
今 君とあるいているよ

愛してる ずっと守りたいよ
おたがいに 助けあって
傷つけあって 許しあおうよ
I'LL BE THERE
I LOVE YOU I'M BY YOUR SIDE
ふたりで あるいていこう

どこまでも 手をつないで"

恋人同士が今後上手く行く事を予見した歌詞、ストレートで初々しい表現が凄く微笑ましいので、純粋な気持ちになりますね。

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain



GO FURTHER

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
5曲目「GO FURTHER」

マイケル・シェンカーを彷彿とさせるメロディアスなフレーズが印象的なハードロックインストナンバー。
1999年・2000年の「F1グランプリ」のテーマソングにもなりました。

イントロから松本氏特有の美しいメロディー、流麗なTAKトーンが素晴らしい、エモーショナルです。
ブレイクして、リズムチェンジ。
プリング、ハンマリングを駆使したテクニカルでキャッチーなギターフレーズが炸裂、この楽曲の顔とも言えるギターフレーズです。
疾走感溢れるグルーヴに、このフレーズが絡むと凄く気持ち良い。
スライドを多用した、ソリッドなフレーズも入ってるのですが、火花散りそうなくらいソリッドで、ドライブ感満載です。

一旦ミドルテンポにリズムチェンジしてイントロのメロディーに切り替わる所なんて鳥肌モノ。
この部分が終わったら、またリズムチェンジして畳み掛けるように弾きまくります、スリリングで松本氏特有のタイム感が溢れでるフレーズがとにかくグルーヴィーです。

このようなインストの楽曲でもただ単にテクニカルなフレーズを弾きまくるのではなく、良質なメロディー、耳に残るキャッチーなフレーズ、これらは松本氏の魅力でもあります。
松本氏の魅力を最大限発揮しま楽曲だと思います。


www.youtube.com

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain

 

SAKURA

松本氏のソロアルバム「KNOCKIN'“T”AROUND」
4曲目「SAKURA」

ファンキーなリズムと東洋の雰囲気が融合した、ミディアムロックナンバー。
バラードって感じじゃないけど、何処か色気のある楽曲。

イントロ、ピアノとストリングスのメロディアスなフレーズ、16ビートに乗せ、エッジの効いたサウンドにタメを生かしたギターフレーズ、ピッキングハーモニクスを駆使したワイルドなサウンドがセクシーです。

東洋的な雰囲気な曲と思わせて、ファンキーなビートをぶち込む意外性が素晴らしい。


Aメロ♪日々は穏やかに過ぎ〜
甘くてノスタルジックなメロディー。
松本氏のしっとりしたヴォーカルもgoo dです。
シンプルなバッキングシンセが雰囲気出てます。

Bメロ♪好きでいることに〜
バッキングシンセに、ソリッドなギターが切り込む所がクール。

♪サビ♪SAKURA散る季節でした〜
松本氏特有の東洋的なメロディー、シンセとピッキングハーモニクスを響くディストーションギターのコンビネーションが印象的。

ギターソロ、松本氏のアクの強いチョーキング、存在感抜群です。

日々は穏やかに過ぎ 愛はささやく 揺れる未来の中に 君はもういない
好きでいることに疑いもなく 夢も見ないように

SAKURA散る季節でした 寛容というのは 耐えることなの

満たされてると 信じてた 僕は今も くりかえす 春の風 やわらかく 君はささやく 振り返りたくはないと 歩きはじめた ただ側にいるだけで

何も見ないで 夢も聞かないで うまれ変われたとしたら 君とふたり 生きてゆきたい 気付かないふりしていた 愛を言葉にできなかった

SAKURA散る季節でした 寛容というのは ゆたかさ 優しさ

うまれ変われたとしても 君とふたり 生きてゆきたい めぐる想いは はかなくも 桜のようなひとでした

失恋を描いた歌詞でしょうか?
過去のソロ作品を聴いて思うのですが、松本氏はロマンチストですよね。
なので、書く歌詞も凄くロマンチック、稲葉氏とはまた違うタッチで描かれる歌詞、堪能しましょう。

f:id:kanachiha:20210904125218j:plain