すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

Real Thing Shakes

20作目のシングル「Real Thing Shakes」1996年5月11日

シンセサイザーや打ち込みは一切使用せず、生のバンドサウンドのみで構成された全編英語詞のハードロックナンバー。
B'z特有の日本的なメロディアスハードロック要素は皆無、とにかく高水準で正真正銘のハードロックになっており、J-POPの枠には収まらない、楽曲構成やメロディーがもう完全に洋楽。この楽曲だけアメリカン度が突出して高いのは海外の有名なプロデューサーをつけているから(普段のプロデューサーは松本氏)、そのため全体的なサウンドがホントに素晴らしい。
よく日本人でこのアメリカンなニュアンスがギター・ヴォーカル共に出せたなと感嘆しました、海外のロックバンドも顔負けです。
おそらく日本で1番売れたハードロックで、洋楽に近い邦楽じゃないでしょうか。

イントロのAC/DCを彷彿とさせるギターサウンドを幾重にも重ねた分厚くてクールなギターリフ、ドラム→ベースと楽器隊が加わる展開は正にハードロックの雛形。
♪Can't fall asleep I don't know why〜
のっけから凄まじい高音、稲葉氏の高音の限界を超えたヴォーカルが聴けます。この高音パートをライヴで完全再現出来た時ってそんなにないと思います。
バッキングギターはかなりシンプルなコードバッキング、複雑なバッキングが多々あるB'zの楽曲の中では比較的コピーしやすい部類かと。

メインコーラス♪
Real thing shakes me like the rain in a storm Wo〜
キャッチーですが、完全に洋楽のハードロックメロディーです。
バッキングギターはメインリフ。

ギターソロ前の♪I can tell you I've been aching Who's cryin',Who's crying now?
の部分の超ブルージーなブチ切れたシャウトとファルセットはヤバいです、何処から声出してんだ?稲葉氏しか歌えないでしょう。

間奏とアウトロのギターソロ、にB'zの中でも屈指の名演。とにかくエグい。
松本氏特有のタイム感とレガート速弾き、癖の強いチョーキング等これでもかと散りばめられており、コピーするのは至難の技、海外のギタリストが弾いてるみたいで、ホントに日本人離れしたフィーリング。

歌詞の内容は簡単に言うと「真実は知らない方が幸せな事もある」のような、陽気なサウンドとは裏腹な内容を歌ってます。

Can't fall asleep I don't know why I know it's not cause of the world situation Watching TV bad news all around But that's not the reason I'm so scared now

眠れねぇ わからねぇ 世界情勢のせいじゃねぇ
テレビのニュースの 過剰なBGMが気持ち悪い
でも怖いのは そんなんじゃねぇ

Real thing shakes me like the rain in a storm Wo Something's burnin' like a fire in my mind Love sets me free like a bird in the sky Wo You and me we can find a way to fly

本当のことにゃ さからえない
心 まるごと わしずかみのまま
だれか 僕を かくまっても

Lots of trouble in the country Leaders changing day after day But it don't matter Don't care about it I just want you to get closer to me

この国にも 知らないうちに問題だらけ
総理大臣かわりまくり 説明不足のドタバタ劇
でも そうじゃない それを気にしてんじゃない
ねぇ君 もうちょっと そばにきておくれよ

Real thing shakes me,like the rain in a storm Wo Something's burnin' like a fire in my mind Love sets me free like a bird in the sky Wo You and me we can find a way

本当のことにゃ さからえない
金掛けたハリウッド映画よりもすごい
何も知らないままでいいの?
体の中が燃えるようにあついよ

I got something I need to say Wo Uh…You can believe me You know I'm changing I can tell you I've been aching Who's cryin',Who's crying now? Don't wanna lose you Don't wanna turn away

待ってくれ 話をさせて 今日は僕を信じておくれ
うおおお むずむずする
何に苦しんでいたのか 今まで?
誰が泣いているの? 僕? 違う 僕じゃない
うわ 行かないでくれえ

Real thing shakes me like the rain in a storm Wo Something's burnin like a fire in my mind Love sets me free like a bird in the sky Wo You and me we can find a way to fly

本当のことにゃ さからえない
ウムを言わせず まるはだかにされちゃう
何も感じない世界ってどんなの?
君とだったら空を飛べそうな気がするんだってば

この和訳はシングルCDジャケット内にに記載されていた稲葉氏なりの解釈。
です。

当時、人気絶頂でもはや国内に敵無し
のB'z。
B'zのお二人が本当にやりたかった音楽を世間に提示した感じ、当時は小室サウンドを筆頭にカラオケで歌いやすい楽曲が流行っていた時代、それとは真逆の楽曲をシングルにぶち込んでくるあたり、挑戦的というか、天下を取ったという余裕を感じます。
しかもミリオンセラーを記録、凄すぎる、どう聴いても絶対売れ線の楽曲じゃないのに、それだけB'zの人気が凄まじかったという事。

松本氏より「洋楽ロックを聴くきっかけになって欲しい」というメッセージも込められてます。

ちなみにこの頃、金髪のショートヘア


B'z Real Thing Shakes

だった稲葉氏、超絶カッコイイです。

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