すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

love me, I love you

17作目のシングル「love me, I love you」  1995年7月7日発売

底抜けに明るい、B'zのポップな側面を全て詰め込んだ象徴的なパワーポップナンバー。 何て表現したら良いか分からないですけど、「B'z」って感じの曲です、もうイメージそのもの。 シリアスな雰囲気が続いた暗黒時代を経て、180度違うサウンドをぶち込んできました、凄い変わりようです、あれだけハードロックなB'zを世間に知らしめたのにまたこんなポップ路線に戻ってくるんですから、ファンは歓喜したはず。

この楽曲は演奏難易度が非常に高く、ギターはもちろんですが、ベースとドラムのコンビネーションは凄い、すんなり演奏してますが、ベースはタイトで動き回るベースラインが満載、ドラムはなんだかよく分からないけどリズムが凄く独特(語彙力無さすぎですね)。アレンジは非の打ち所がなく完璧です。

B'zの敏腕サポートメンバー達を持ってしてでも「演奏が難しい」と言わしめる楽曲。 イントロのベース、ギター、ブラスセクションの上昇ユニゾンフレーズからすでに難易度高し、ギターキッズはここであきらめるでしょう(笑) ドラムの入りが凄い絶妙な感じ、この入りは激ムズ。 演奏が始まり、

最高にポップなブラスセクションが超印象的です、凄くポジティブな気持ちなります。

 

Aメロ♪モヤモヤしてるのが嫌なら〜のっけから超ポップなメロディー、一瞬どこか切なくなるのもポイント。 バッキングギターは、とにかく自由。 コード絡めながらナチュラハーモニクスを使い、ブルージーなオブリも入るのですが、何ていうか、バッキングギターの常識から良い意味で外れてますね。ギターのサウンドが所狭しに鳴ってるのですが、これが全く邪魔になってないのが凄い、ちょうどよく馴染んでる。

サビへの盛り上がりを感じさせるブラスセクション→楽器隊のユニゾンブレイク→

サビ♪love me けちってないで〜もうこの爆発力が超最高、明るさとパワーが突き抜けるようなメロディー、しかもキャッチー。

ギターソロはバスドラムを主体としたブレイク気味のリズムに、ゴージャスなストリングスをバックに繰り出される、この時期よくやっていた松本氏の必殺技、ギターのフレット間を滑らかに上下させながらのレガートフレーズが炸裂。ストリングスとの相性バッチリ、楽曲の雰囲気に合わせてテクニカル事をやってます。メロディアスなフレーズもバッチリ決まってます。

歌詞は「人にイライラしたらその人のせいしないで愛しちゃおう」というメッセージが込められてます。

 

「モヤモヤしてるのがイヤなら フトンを噛んで考えて なんかあいつに期待過剰なんじゃないの 」

あの人がああしてくれない、こうしてくれないとモヤモヤしてしまう事ってありますよね。過剰に期待し過ぎて「言わなくても分かるだろう」と他力本願が強くなります。 しかし「フトンを噛んで考えて」という表現には驚きました、そんな事やらないんだけどなんかその心情が分かるというか、稲葉氏は上手く言葉に出来ない事を斬新な表現で代弁してくれています。

 

「人の心はどうしてもなにか足りないけれど そこんとこ埋めるべきなのは 恋人じゃない親でもない ねえ、そうでしょ」

常に現状満足している人はいない、あれが欲しい、自分にはこれが足りないと考えている、それをどうにかしてくれるのは、恋人や親でもない、まぎれもなく自分自身。何かを手に入れたいなら自分で行動するべし。

「love meけちってないで ボクはきっと愛をもっと出せる I love youおごらせてるだけじゃ そのうち誰もいなくなるよ」

くすぶってないでもっと人を愛そう、与えてもらってるだけでは、そのうち周りから人が去っていく。 与えてもらったら、こちらも与える、当たり前だけど忘れがちな事、人生を左右するような良好な人間関係を築く時にはなおさら重要ですね。

「都合いいモノだけひっぱりだして自分のウンの悪さを そいつにべっとりなする癖ないかい」

自分は周りに恵まれてないと、今の辛い状況を人や環境のせいにしてしまうモノ、周りに望むのではなく自分が変わらなければ現状は変えられないのに・・・

 

「やりたくないことばかりが次々と見つかるけれど 消去法でイケることもあるらしい そのうちまあ、なんとかなる・・・ヘイ、そうだろう」

自分には何ができるんだろう?と考えた時に、あれは出来ない、これは嫌だなと消去法で残った物に対し「やっぱり自分にはこれしかないのか」とそれをやるしかない状況下になった時、それでも良いんじゃない?何とかなるよ!と稲葉氏は唱えております。 実際稲葉氏が昔のインタビューで将来の進路を決める時、消去法で残ったのがヴォーカリストだったと言っており、驚いたとともに励まされました。

「love meぴりぴりするなら すぐにムッとするのグッと耐えて I love you愛をはきだして それでもカッときたならbaby. let's dance」

イライラしてまった時、相手を受け入れようと自分をなだめるが、それでもダメなら、まずは忘れて一息つこう。

「Let’s give it awayけなしてないで たまにゃ海も山も人も誉めろよ なんちゅうLOVE!自分の芯から 気持ち良くなりたけりゃ今出して」

 

イライラしてけなすんじゃなくて、とにかく何でも良いから褒めまくれ、もうヤケクソ状態です。 「たまにゃ海も山も人も誉めろよ」 これはなんちゅう表現なんでしょう、稲葉氏らしい突き抜けた表現です。 未だに意味が分かりません(笑)

私は「love me, I love you」とは自分を愛するように、他人も同じように愛せ!という解釈をしました。

松本氏曰く、「自分たちが表現したいものと世間がB'zに求めているものが合致したような曲」との事。松本氏は当時、自分達に対し世間が求めるモノ、つまり需要がよく分かっております、ビジネスの才能もありますね。
あの小室哲哉氏も松本氏を「まっちゃんは商人だからね」と評しておりました。

 

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