すべてB'z~たまにB'z以外~

リモートDTMロックユニット「親戚グルーヴ」のコンポーザー"ヒロ・ヴィシャス"が大好きなB'zの楽曲群をデビュー曲~年代順にシングル・アルバム曲を1曲ずつレビューしていきます

4作目ミニアルバム「FRIENDS」

4枚目ミニアルバム「FRIENDS」1992年12月9日リリース
 
B'z
のアーティスティックな一面が見られる作品。全体的に大人というか落ち着いていて、個人的にはもの凄く好きな作品です。
以前までのミニアルバムは過去曲のリアレンジや英語詞ナンバーが入っており、遊び要素が散りばめられていましたが、本作品はこれらは皆無、完全オリジナル楽曲で構成されています。過去や現在の作品を見渡しても、異色な雰囲気を放っています。

「もしB'zが恋愛映画のサウンドトラックを作ったら」のコンセプトで作られており、松本氏も「映画のサウンドトラックのようなアルバムにしたかった」と語っています。

曲順表記は「#1」などではなく、「SCENE1」など独特の表記になっているのは、今回のコンセプトの現れ。
 
内容は『回想』『再会』『葛藤』『解決』のシーンからなる1つのラブストーリーとなっており、アルバムタイトル「FRIENDS」はストーリーのテーマにあたります。
感傷的なメロディが本作品と見事にマッチしており、凄くノスタルジックな気分になります。

本作品では松本氏のロマンチストの部分が炸裂し、完全に作曲家に徹しており、メロディメイカーとしての底力を見ました。
稲葉氏は作品の雰囲気に合わせているのか、シャウトや声を張り上げるようなヴォーカルは極力排除、この時期特有の鼻にかかる声質で中音域で感情たっぷりに歌い上げています。
今とは発声法が違うので、この時期の声質や発声法だから歌えであろう楽曲群だと思ってます。
歌唱力という点では1つの到達点かと。

歌詞も情景描写が美しく、恋愛の緻密な表現力はまるで小説家、本作品では稲葉氏は脚本家ですね。
 
前作ではゴージャスなハードロック、スタジアムロックを作った人達が次作でこんな毛色の違う作品をサラッと作っちゃうんですから、ホントに音楽の振り幅が広い。

特にこの頃はアルバム出す度に作風を変えてくるので、次はどんな作品なんだろう?ってワクワクしましたね。
だからB'zファンは止められない。

f:id:kanachiha:20200620091355j:plain